20101214

本の記録 / 夏草の賦(下)

夏草の賦(下)  司馬遼太郎  文春文庫

p68 「飛躍は、二代目にまかせねばならぬ」と、元親は言った。

p114 「大将というものは、ほうびを与えるものをいうのだ」と、元親は明快に定義した。

p163 戦国乱世の気のうせぬ時期であり、ひとびとの気は荒く、心は粗放で、口で屈服を申し聞かせても言葉だけではどうにもならない。対建築をどしどし建てて、目で持って腰を抜かさせることであった。これが百年の乱世を統一し、人の気をくじくについて、何よりの方法であった。

p250 すでに天下の大略を征服し終えた秀吉にはそろそろ成功者にありがちな自己信仰ができ始めていた。俺が総帥なのだ。という、昂然たる気持ちなのである。(中略)過去の秀吉にはこういう強引さや粗大さはなかった。過去の秀吉は常に配下の人間関係に微妙な意をもちい、その調和ができるように組み合わせ、それによって団結の力を得ようとしていた。が、秀吉も多少変わりつつあった。

p278 敵が戦意をなくしているとき、敵が油断をしているとき、この二つの場合は、敵の数が十倍であろうとも死力をふるって突入すれば勝てましょう。

p309 「男は、夢のあるうちが花だな」

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