20120129

本の記録 / 絶対ブレない「軸」のつくり方



絶対ブレない「軸」のつくり方  南壮一郎  ダイヤモンド社


尊敬する経営者の方から、今起業準備中に読む本として教えて頂きました。

著者は外資系金融に勤務中から、スポーツビジネスへの憧れを捨てず、メジャーリーグの球団すべてに手紙を送ったり、飛び込みでスポーツエージェントへ行くなどの行動を起こしました。

それでも結果は実らず、退路を絶って会社をやめてフットサルコートの管理人なども経験していました。

悩みながらも、それまでの経験や出会いなどもあり、楽天球団設立時に三木谷社長に直接プレゼンをし、創業メンバーに抜擢されたのです!


この本により、「行動を起こすこと」の大切さを改めて感じました。

例えば尊敬する経営者の方に会うために連絡をすること、手紙を書くこと。
何も返答などなければ確かに落ち込むこともあるけれども、リスクはゼロ。
やるべきです(自戒も込めて)。

背中を強く押してくれる本でした。

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 コネや経験を持っていなくてもコンタクトを取ることはできる、人とつながっていくことはできるんだ、と実感することもできたのだ。(p.26)  


 ここで尻尾を巻いて帰っても、得るものは何も無い。でも、待つことで損をすることも何もないのだから、これはもう空気を読まず受付で居座り続けるしかない。(p.37)


 エージェントに会う際に意識していたのは、自分の印象を相手にいかに残すかということ。何かがあったときに、「こいつに連絡しよう」と思わせなければならない。そのために必要なのが、自分に「キーワード」をつけること。額に、「私は何屋さん」という看板を掲げるのだ。(p.45)


 だから恩返しもいらない。ただし、1つだけ君にお願いがある。いつか君のもとに、当時の君のような若者が会いたいといってきたら、時間が許す限り、ぜひその若者に君と話すチャンスを与えてあげてくれ。(p.74)


 優先順位を決めるためにの究極の方法は、「捨てるものは捨てる」と決めること。新しいことを始めるならば、最初から100点満点を狙う必要はない。
 まずは70点を目指すのだ。(p.86)


 「自分で最初のアクションを起こす前に人に頼ってはいけない」(p.94)


 自分を変えるための一番の方法は、「自分がなりたいと思える人」の近くにいること。(p.111)


 もし心に秘めた夢があるのなら、口に出して語るべきだと思う。なぜなら、「夢を語って迷惑をする人はいない」から。もっと表にだせば、共感してくれる人も現れ、夢の実現度はぐっと上昇するだろう。(p.128)


そのキャッチコピーは「5秒」で言えるか?(p.144)


なお、相談してアドバイスをもらった後で大切なのは、相談相手にアドバイスを受けて行動した結果を定期的に報告するということ。頻繁に連絡をとる必要はないが、恩をしっかりと受け取り、感謝の気持ちをお伝えするために報告という形で返すこと。(p.180)


amazonの評価も高い

20120128

本の記録 / 宮本武蔵


宮本武蔵  司馬遼太郎  朝日文庫


司馬遼太郎、宮本武蔵も書いてたんですね。
やはり「バガボンド」の武蔵と比較しながら読んでしまいます。

宮本武蔵(wikipedia参照)


一風堂の河原成美氏も「一風堂 五輪書」においていくつか宮本武蔵の名言もあげています。

私のメモにも残っていました。
(3)の行を持って鍛と為し 万日(30)の業をもって鍛と為す

剣術だけでなく、書や絵画にも偉大な作品を残している武蔵の言葉は力強い。


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この当時の武者は意識して自分自身の伝説をつくろうとした。伝説はこういう奇行の砕片があつまってできあがるものであり、伝説がその武者を装飾し、ついにはそのものを栄達させてゆく。(p.28)


他のすべての兵法は人間能力の練磨、研ぎすましを目標としているとすれば、武蔵のそれは人
間の能力を改造しようとしていた。(p.35)


ともあれ、この時期の武蔵はちがう。彼は我が剣技を試さねばならず、剣名をあげねばならず、そのためには生死を賭けるべきであった。どの世界のどの分野の術者も、そういう時期があるのではないか。(p.43)


「小櫛(おぐし)のをしへ(教え)のこと」
というくだりがある。小櫛とは櫛のことである。「わが心に櫛をもて」と武蔵はいう。櫛をもって髪をすく。敵を知る場合もそうである。すく場合、毛の結ばれたあたりがすきにくにが、それをなんとかといてゆかねばならない、という。敵について不明の部分を残すなということであろう。(p.56)


試合は、おのれの実力よりも低く評価した相手とせねばならない。武蔵のころの牢人兵法者はすべてそうであり、兵法感覚の初動は相手へのねぶみであり、もし値踏んでなおかつ負けたときは自分の評価力不足と言えるであろう。(p.95)


他の家臣ならば愛情を持って考えてやらねばならないが、技術者は技術のみで世に立っている。技術が劣れば落命するのは当然であり、そこまで情を持って考えてやる必要はない、という意味であろう。
「小次郎も、そういうなさけを予がもてば、むしろ予に対して喜ぶまい」
と、忠興はいった。(p.157)


試合前に敵の姿は一度は見ておくべきである。そう思い、武蔵は山道をのぼっている。が、秘太刀を伝授する場所まで武蔵は見るつもりはない。その興もない。必要もない。更には他人の秘密を鼠賊(そぞく)のように偸(ぬす)み窺うことになり、武蔵にははばかる心があった。(p.164)


「身は気儘(きまま)にしておかねばならない」
と武蔵は言った。(中略)
人の目は好奇心だけのことである。武蔵の心境やいかに、いかなる準備をなすか、兵器(えもの)はどのような、というようなkとおを小うるさく観察しようとするであろう。それに対する神経のつかいかたで徒労してしまうが、そのうえそれが敵方にもれてしまってはどうにもならない。身を気儘にしておくというのはそういうことである。(p.175)


― 見切って撃つ
この見切りの兵法修行こそ眼目である、と武蔵はいうのである。
その間合いは一寸が理想である、と武蔵はいう。敵の太刀先から一寸を残す。「一寸あり」と見んぬく。(p.196)


「一つの技法、一つの道理を自分こそ見出しいたりとおもっておどろきかつよろこぶが、よくよく考えてみるとそれらについては先人がすでに道破している」(p.210)


  

20120107

映画の記録 / ジョニーは戦場へ行った

「ジョニーは戦場へ行った、僕はどこへ行くんだろう」



この歌詞がでてくるブルーハーツの「ラインを越えて」の曲を聞いた中1の時。
15年ほどの時を経てようやく見ることができました。


第一次世界大戦に参加した一人の青年の話。


戦争映画というのはいままで多数見てきました。

戦闘や爆撃シーンの迫力に見入ってしまい身動きができないほどリアルな「西部戦線に異常なし」や「シン・レッド・ライン」、「フルメタル・ジャケット」。


戦争シーンは殆ど無いものの友情や心の病を通じて反戦を描いた私のイチオシ「バーディー」。
やはり忘れてはいけない傑作「シンドラーのリスト」。


他にもお金がかかてるな、「プラトーン」や「地獄の黙示録」などなど。



いずれにも共通するのは反戦。
2012年早速アメリカがイランに対する態度が報道されていましたが、戦争映画を観るたびに戦争とは果たしてなんなのかと考えさせられます。


今回の映画も「バーディー」のようにほとんど、残酷な戦争シーンは出て来ません。
爆撃で四肢はおろか顔や器官をもを奪われた主人公の回顧シーン、夢や心の叫びが流れます。

詳しい内容については書きませんが、ジョニーの叫びを、最後の叫びを聞くたびに胸が締め付けられます。反戦の気持ちを持ち、生きていられることの意味を考えなければいけません。


ジョニーは戦場へ行きました。そして(フィクションではありますが)皮肉にも行くことで題材となりました
不自由なく生きていられることの幸せを享受し、自分の行くべき道で早く行動を起こそうと思います。




20120102

本の記録 / 「事務ミス」をなめるな



「事務ミス」をナメるな!  中田亨  光文社新書


思い出してみると、幸いなことに個人情報に関わることや、会社の存続を揺るがすような致命的なミスをしたことないのですが、コピーミスや印刷ミス、請求書などの発行ミスなどを何度かしてきました。
ミスをするたびに、自分に対して腹立たしくなります。

今回する著書は、なぜヒトはミスをするのかという心理学上のメカニズムを哲学や例題を出して説明していたり、銀行の合札などミスを防ぐために生活の中で工夫されたシステムがいくつも紹介されています。

また、仕事の手順や書式のレイアウトなどいい例、悪い例を挙げて紹介されており、事務のみでなく、思考の整理法などの参考になります。


飲食業でも、産地偽装や衛生管理などがここ数年起きており、システムをつくることで防げることが多々あります。
しっかりと気をつけようと思います。


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 悪意の無い事務ミスでも、悪意の無いことの証明は難しく、痛くもない腹を探られることになります。(p.65)

 解決策は、しばしば隠れていた別の問題を引き起こすものです。解決策はワースト1だけを解決しがちであり、それによって隠れいてたワースト2の問題が一位に繰り上がることがあるからです。 (p.75) 

6つの対策の型 発想 抜本度・根治性 コスト
手順改良型 現状の補修
道具改良型
やり直し可能型 被害の管理
致命傷回避型
しなくて済む型 抜本的対策
問題を逆手に取る型
〈資料5-2 6つの対策の抜本度〉(p.89)
 ミスの対策を考える人は、必ず現場に足を運ばなければいけません。現場に行き、現物を見て、現実を知ることが肝心なのです。これを「三現主義」といいます。(p.189)

 報告を上げやすくする要件(p.195)
  • 手間がかからずにほうこくできること
  •  ミス報告に罪悪感や不利益感を感じさせないこと 
  • 報告内容が要点を押さえていること 
  •  報告数が多く、報告し忘れがないこと 
  •  報告の集計と分析が簡単なこと

 教育工学のケラーの「ARCs理論」によれば、次の4つの「ない」が通達を無力化するのです。
  • 「つまらない」・・・・・・・文字だらけで堅い言葉の通達を渡されても、興味が起こらない。 
  •  「自分に関係が無い」・・・・・・自分の仕事においてどう使うのか不明である通達は慎重に読む気が起こらない 
  •  「自信がない」・・・・・・難しくて守れそうにない通達には、やる気が起きない。 
  •  「できてもうれしく無い」・・・・・・やっても達成感が得られない通達は、やりがいがない。

  作業の規則や手順を書き表す場合、「手順主義」と「概念主義」の二つの方式があります。手順主義は手順その1、手順その2・・・と順を追って作業を説明するものです。 非常に読みやすいので、マニュアルはこの方式で書くべきです。(p.203)

文庫本でページ数も少ないですが、読み応えのある著書でした。