20160926

くるりから学ぶオルタナティヴであること

  くるり20周年


敬愛する「くるり」がバンド結成から20周年を迎えた。

その歴史を記録した「くるりのこと」という著書が発売された。
メンバー同士の出会い別れのことやレコーディングのことが詳しく書かれていて面白い。

初めてそのCDを手にしたのは高3のとき。
「すごいぞくるり」というキャッチコピーの元、岐阜の田舎町の書店にも名曲「東京」を含めた1stアルバムが大体的に宣伝され、新人アーティストのコーナーに積まれていた。著書にも書いてあるのだが、1990年後半のCDが一番売れていた時期だ。



大学時代、2ndアルバム「図鑑」に本格的に感化された僕は、彼らが良いという音楽を洋楽、JAZZを含め貪るように聴き始めていった。彼らの和音、電子音、ラップ、オーケストラなどさまざまな音をとりこんでいく探究心や遊び心、音作り、そして岸田繁の散文的な詩は本当に聴いていて心地よく楽しかった。聴く音楽の幅が広がったのも彼らのおかげだ。

感受性豊かな高校の10代からから35の中年になるまで、くるりの軌跡を同世代で追えたことは本当に幸せなことだ。

  オルタナティヴであること


さて、ちょっと強引に僕とくるりをつなげてみようと思う。

「ばらの花」「ワンダーフォーゲル」を含む3rdアルバムの帯には「ロック」「ポップ」などのジャンルではなく「オルタナティヴ」と書いてあったのがとても印象に残っている。これはくるりの意思表明だった。
オルタナティヴ・ミュージックとは、現在の商業的な音楽や流行音楽とは一線を引き、時代の流れに捕われない普遍的なものを追い求める精神や、前衛的でアンダーグラウンドな精神を持つ音楽シーンのことである。しばしばロックの一ジャンルとして思われがちであるが、厳密にはジャンルではない。「alternative」とは英語で、通常「代わりの」「代用の」「もう1つの選択」という意味であるが、「型にはまらない」という意味もある。本来は音楽的な特徴や性格をあらわす言葉としては使わないのが普通だが、この場合は後者の「型にはまらない」あるいは「既存のポップ・ミュージックの概念を打ち壊す」という意味で「alternative」が使われている。(wikipediaより引用)

著書にこう書いてある。

『図鑑』のレコーディングについて語っている時も、岸田はファースト・アルバムよりもわかりやすい「ロック性」を求めるスタッフに対して、こんなふうに語っている。「『なんでそんなロックロック言われなあかんねやろう』みたいなことを考えながらやっていた」。なんのことはない。バンド初期の頃から、岸田は周囲から「ロック」と言われる度に苛立ってきたのだ。

飲食店をやっていると、飲食サイトやSNSなどから店の紹介サイトにてイタリア店、ビストロ、カフェなどとタグ付けされる。他の人から訂正が入ったりもする。


CHEESE STANDはイタリアのフレッシュチーズを作って提供しているがイタリア店でもないし、専門店と名付けられるチーズ店をやっているつもりもない。カフェという気持ちで始めてもいない。
あえて言うならフレッシュチーズ店だ。


CHEESE STANDはあくまでCHEESE STANDであり、分類されるものではないとおもっている。
今までの既成のものにこだわらず、自分たちで考えてつくっていく。


オルタナティヴであること。
自分たちで道をつくっていくこと。
挑戦していくこと。


これは僕がミュージシャン・くるりに学んだことだ。

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